関連ニュース ファーストリテイリング、委託先工場リスト公開へ 中国・バングラなど、労働環境に配慮 消費者の目を意識

衣料品会社ユニクロを運営するファーストリテイリングは製造委託する取引先のリストを公開すると発表しました。中国やバングラデシュなどで取引している縫製工場を2017年にも開示するとしています。
取引先企業が健全な労働環境を維持していることについて委託元として配慮する姿勢を示すことをねらいとしていると考えられます。
これは欧米各社の間でも消費者の目を意識し、リストを開示する動きが広がっていることから方針を転換することに決めたと思われます。

開示手法や内容について詰めたのちに2017年にも開示するとみられています。国内最大手が公開することを決めたことで今後、日本のアパレル企業などの間でも同様の動きが出てくると考えられます。
「サプライヤーリスト」と呼ばれる取引先工場の開示について、ファーストリテイリングを含む日本企業はこれまで積極的ではありませんでした。
高い技術を持つ工場を競合他社に奪われるリスクや、製品情報の漏洩などで競争力が下がる可能性があるとして企業秘密にしてきました。

ファーストリテイリングは取引先工場の労働環境のモニタリングを定期的に行い、15年度には縫製や素材といった約500工場を対象に実施し、審査次第では取引の停止も実施してきたといいます。
しかしながら、ファーストリテイリングは国内外の人権団体から新興国の工場での過酷な労働などを指摘され、サプライヤーリストの開示を要求されていました。
リストが公開されれば取引先工場側もファーストリテイリングと取引していることを公表できるようになり、NPOにとっては個別の工場名が把握できるようになるだけに、
長時間労働などの問題が起きていないかどうか監視しやすくなる。

消費者の間で「エシカル(倫理的)消費」への意識が高まってきたことも情報開示を促しているといえます。途上国の不当労働などが行われていないフェアトレード(公正な貿易)製品や環境に配慮した食品などの購入を通じ、社会貢献に寄与しようとする消費者が増える傾向にあります。リサイクル材料を有効活用する製品や鉱山の労働環境に配慮した貴金属を使った宝飾品などの販売も広がっています。
日本企業にとっても、こうした意識を持つ消費者に対応することへの重要性が高まっているといえるのではないでしょうか。

2016/12/21 日本経済新聞 朝刊 11ページより

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