グラフで見る!スーパーマーケットの企業のエシカル通信簿

スーパーマーケット 企業のエシカル通信簿

 


5回目となる、2021年度「企業のエシカル通信簿」プロジェクトでは、多くの人が日常的に利用し、「エシカル消費」の実践に最も身近であり、社会の関心 も非常に高い「スーパーマーケット」事業者を対象に、「サステナビリティ体制」「消費者の保護・支援」「人権・労働」「社会・社会貢献」「平和・非暴力」「アニマルウェルフェア」「環境」の7つの項目について詳しく調査をいたしました。

本ページでは、調査項目を一部抜粋してグラフ化したものを掲載しております。

より詳しい調査結果やコメントは、こちらのページも併せてご覧ください。
>>『企業のエシカル通信簿』第5回結果発表

 

もくじ

 

1.サステナビリティ体制

 

 

POINT!
持続可能な社会への取組みは自社のみならずサプライチェーン全体についての適切な運用管理と問題の是正改善が求められることから、サプライヤーを把握し、調達基準を策定し適用することが必要になります。 2021年度の調査(6社)では、調達先の把握が十分ではなく多くの課題がありました。しかし、調達基準は6社中4社が策定公表していることから、今後は調達先を把握し、適切な調達基準の適用と問題解決を期待します。

 

2.消費者の保護・支援

 

 

POINT!
企業の消費者志向経営方針は、消費者の声を聞くことや消費者のニーズに沿った商品・サービスを提供することに重点があり、適切な広告や表示、権利の尊重、説明責任については課題があるようです。 企業と消費者のより良い関係のために、消費者が商品を選択する際の情報の多くは企業が持っていることを元に責任ある行動を期待します。企業が消費者の信頼を得て、ともにサステナブルな消費に向けて協力しあっていきたいものです。

 

3.人権・労働問題

 

POINT!
生産者の人権や環境を保証するフェアトレード(FT)製品について、自社内での利用、製造、販売に関して聞きました。スーパーだけでなくこれまで調査した48社のうち、FT製品を製造・販売している(いた)のは14社、自社での利用は1社という結果になりました。一般消費者への最近の調査では、FT認知率は32.8%まで上昇しており、10代の知名度は8割近くあります。エシカル消費実現のためにも、今後企業にはフェアトレードの導入が期待されます。

 

4.社会貢献

 

POINT!
次世代(子ども)に対して、公正で公平な機会を提供し、希望のある未来をつくり出していくための具体的な取組みについて聞きました。生活困窮に対する直接的支援は、「子ども食堂への支援」という回答が一番多く、子どもの力を育むための機会の提供でも「食育」と答えた企業が目立ち、スーパーマーケットという業種も関係していると思いますが、子どもたちの「食」にまつわるサポートがに力が入っていることがわかりました。

 

5.平和・非暴力

 

POINT!
日本で平和・非暴力に関する方針を持ち、行動に取り組む企業はほとんどありません。しかし、暴力のない平和な世界無しには企業活動も成り立たちません。欧米での企業レイティングは、もともとアメリカではベトナム戦争に反対する投資家の声、欧州ではアパルトヘイトに反対する市民の声から生まれました。平和・非暴力を求める消費者による商品・企業の選択やレイティングは、その声を伝える有効な手段になると思われます。

 

6.アニマルウェルフェア

アニマルウェルフェア

 

POINT!
卵用鶏のケージ飼育は動物たちを”死んだほうがマシ”と分析されるほど苦しめます。サルモネラ菌発生の割合が高いこともわかっており、世界では平飼いや放牧などのケージフリー飼育に移行し、企業も移行することをコミットしています。 すでにEUは55%の卵がケージフリー、米国の8州ではケージ飼育の卵の売買の禁止が決まっています。そのような中で日本企業もケージフリーに向けて動き出し始めるところも出てきました。

 

7.環境

 

POINT!
生物多様性減少の原因の1位は土地の改変ですが、2位は生物の直接採取です。乱獲を招くIUU(違法、無規制、無報告)漁業や、絶滅危惧種の利用に対策をとる必要があります。

 

 

POINT!
人類・生物が生存するためには世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて1.5度未満に抑える必要があり、そのためには2050年までに温室効果ガスの排出をネット・ゼロに、2030年までに半減する必要があります。 グラフは「ネット・ゼロ目標を掲げていますか」と尋ねた結果ですが、まだ目標を掲げていない企業もあります。目標を掲げている企業もパリ協定の達成に見合った中間目標の設定が重要です。

 

 

POINT!
気候変動などの環境問題によって、水の調達が難しくなっている地域があります。こうした水を要因とする「企業活動に影響を与え得る不確実性」を「水リスク」と言います。まずはリスクを認識し、いかに減らしていくか、目標をたてて取り組むことが重要です。グラフは2021年度スーパーマーケットの調査結果です。6社中1社「水リスクに関する方針がある」という結果になりましたが、水リスク分析をしている企業は0社でした。

 

 

POINT!
化学物質等の削減の取組みと消費者への情報開示を調査しました。6社中2社が情報開示なしでした。開示の主な内容は、「化学合成食品添加物」「トランス脂肪酸」及び「遺伝子組み換え」が2社、「放射性物質の取り扱い」は3社でした。これらの情報は消費者の安全・安心に直結します。インターネットでの買い物が増加している現在、WEB上での情報開示は商品購入時の判断材料として有効です。企業の一層の取組みと情報開示が求められます。

 

 

POINT!
生活に必要な商品・製品やサービスが環境配慮されたものであれば、生活もまた環境配慮された形に変わるはずです。しかし、環境配慮が謳ってある商品・製品、サービスがどんな基準をもって「環境配慮型」としているのか、基準が曖昧ではグリーンウォッシュに陥る可能性もあります。残念ながら、自社基準を「設定していない、もしくは公開していない」と回答した企業が、自社基準を設定していると答えた企業の倍という結果でした。

 

POINT!
スーパーマーケットは市民生活のごみ問題に直結します。どの企業も省資源・ごみ削減を環境基本方針等に掲げていましたが、重要課題である食品ごみとプラスチック容器包装について中長期目標を掲げて取り組んでいる企業は、食品ごみは4社、プラスチック容器包装は3社のみでした。今後は、ごみの少ない容器・包装の開発や、食品の調達から製造、流通、販売までの各段階のリデュースに重点を置き、消費者の理解と協力を得られる取組みに期待しています。

企業のエシカル通信簿発表会

詳しい調査結果はこちらのページもぜひご覧ください。

>>『企業のエシカル通信簿』第5回結果発表

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